受験後の塾へのお礼は教育の一環
お世話になった人へ感謝の気持ちを伝えることはとても大事なことです。
また、感謝の気持ちをきちんと伝えるスキルは、この後の人生でも必要なこととなります。
その大事なことを学ぶという意味で、受験が終わった後には必ずお世話になった人へ結果の報告とともに挨拶をしておきましょう。
お世話になった多くの人のうち、今回は塾の先生へのお礼についてお伝えします。
いつお礼に行けば良いか
入試期間中は禁止
中学受験でもお世話になった先生にお礼をしたいということで、受験が終わると塾にはたくさんの卒業生が詰めかけます。
その中に、合格が出てすぐに挨拶に行きたいということで、自分の入試と発表が終わった直後の2月3日などに挨拶に来られる方もいます。
ただ、その時期はまだ入試真っ只中です。
志望校に入れず泣きながら自習をしている受験生もいます。
一歩違えば泣きながら勉強している受験生でもあったかもしれないわけで、そういった受験生への配慮もなく、幸せ全開で挨拶に来られても非常に困るだけなのです。
よって入試期間中は合格の挨拶に行くのは控えましょう。
お礼は入試期間終了後
入試期間中はダメだと言っても、入試期間が終わると塾での新学期が始まります。
授業開始前後などは新しく塾に通い始めた生徒への対応で手一杯になります。
特に新小学3年生、新4年生などはまだまだ幼く、目が離せません。
通っている生徒が受付周りにいない時間帯に挨拶に行くと良いでしょう。
誰にお礼をするべきか
お礼をすべき優先順位は子供が学力を伸ばしていく上で接点を持った順になります。
子供からすれば一番接点があり、真っ先にお礼を言わなくてはいけないのは各科目の先生や質問対応をしてくれて学力の向上のサポートをしてくれた先生です。
具体的にお礼を言わなくてはいけない順番は基本的には下記の通りです。
1、各科目を担当してくれた先生
2、よく質問対応をしてくれた先生
3、進路指導をしてくれた先生
4、その他の職員
保護者にとってみれば進路指導をしたり面談などを通じて面識のある先生が一番に世話になったと思ってしまう場合が多いです。
実際に受験校を決め、進学校を決める決定打となったアドバイスをしてくれたかもしれないので、真っ先にお礼をしたい気持ちはわかりますが、お礼が子供の教育の一環という面を考慮すると順位は下がります。
ちなみに、塾長や教室長のところに真っ先にお礼に行く光景を目にしますが、これは非常に違和感を覚えます。
何を贈ればよいか
メッセージカード
お礼の気持ちをきちんと言葉にするということは大事ですが、面と向かうとなかなか伝わらないものではあったりします。
また、お礼に来る生徒も次から次へと来るのでゆっくりとお話しできる時間もない状況でもあります。
お礼の気持ちを丁寧に書いていると、勉強をはじめた時から進学先を決めた今現在までを振り返ることができ、あれは良かった、これは改善しなくてはなど、将来に向けての糧ともなります。
また、先生からしても、生徒から貰ったメッセージカードは何度も読み返したりして、その子の良かったこと、成長してきた様子などを思い返し、一生忘れない生徒となります。
ちなみに貰ったメッセージカードは大切な宝物として持っている先生は大勢います。ちなみに私も今までに貰ったメッセージカードは全部持っています。
以上、メッセージカードは、定型的なお菓子やお酒を贈ったり、貰ったりする以上のプライスレスな価値があります。
お礼に行くのであれば必ず持っていくべきアイテムです。
メッセージカードには何を書く?
名前・進学先
先生との思い出
中学に入って何をしたいか、将来の夢など
お礼の品
お礼に何か贈る時は、メッセージカードとともに、それぞれの先生に渡すと良いでしょう。
たまに、かなり値段の張るワインやウイスキーなどを個人的にいただきます。
確かにそういったものを頂くと、その子の合格までの道のりを振り返り、その子の将来を祝福しながら飲んだり、また今後、授業をしていく上で大きな活力剤となることは確かではあります。
ただ、そのような高価で目を引くものである必要は全くありません。そもそも子どもが贈るお礼ですから、メッセージカードにつけるオマケ程度のもので十分なのです。
気をつけたいのは商品券や図書館、さらには金一封などです。これらは塾によって、受け取ることがが禁止されている場合があります。せっかく持って行っても返却されたりするのでお薦めはしません。
また、一番多いのが「教室に」と言ってお持ちになられた大きな箱詰めのお菓子や、一升瓶等のお酒、ビールなどです。
せっかく持ってきてもらった物なのですが、最終的には「生徒たちから」頂いたものということで、誰からいただいたものということが曖昧になったまま、教室内や各方面に配分されて終わりになります。
よって、通った塾に対するお礼というよりも、お世話になった個々の先生方にお礼をするという形の方が、今の時代に適応しているのではないでしょうか。
ちなみに、新学期となり、渡したい先生が別な教室(校舎)で授業をしていて会うことができないこともあります。
そんな時は「何々先生へ」と宛先をきちんと指定して教室の職員に託しておけば、渡したい先生に確実に届くよう手配してくれるでしょう。