4科目入試の現状と効果的な学習法
近年の中学受験では、算数、国語、理科、社会の4科目入試が主流となっています。
かつての青山学院や桐朋中学などの2科目入試は過去のものとなり、現在では中堅校以上のほとんどが4科目での合否判定を行っています。
しかし、ここで注意が必要です。4科目入試だからといって、全科目に均等に学習時間を割くのは効率的ではありません。
実は、科目によって学習時間の比重を大きく変えることで、合格率を大きく上げることができるのです。
特に注目すべきは算数です。多くの学校では算数と国語の配点が高く設定されています。中でも算数は受験生の実力差が如実に表れる科目です。
この記事では、算数を中心とした効果的な学習時間の配分方法と、その重要性について詳しく解説していきます。
4科目の理想的な勉強時間比率
私の長年の受験指導経験から中学受験の4科目(国語、算数、社会、理科)の理想的な勉強時間の比率は、おおよそ以下のようになります。
• 国語:30%
• 算数:50%
• 社会:10%
• 理科:10%
6年生の夏期講習以後は、他科目の学習にも力を入れていかなければいけないので、4科目均等に近づきますが、それまでは算数が学習時間の半分を占めます。
計算スピードなどの力の差により多少の増減はあります。
しかし、算数を学習する時間が極端に多く、他科目を学習する時間を圧倒しています。
この比率を意識し、学習スケジュールを組み立てることで、より効率的に受験準備を進めることができます。
特に6年生の夏期講習前まではこの比率で学習した方が効果的です。
なぜ算数に多くの時間を割くべきか
1. 配点の重み
多くの学校で、算数と国語の配点が理科・社会よりも高く設定されています。
学校によっては算数の配点が他科目より高い場合もあります。
2. 差がつきやすい科目
算数は、受験者の平均点と合格者の平均点の差が大きくなりやすい科目です。
3. 逆転しにくい実力
算数の力は短期間では大きく向上しにくく、日々の積み重ねが重要です。
進学塾の授業時間も算数だけがコマ数が多かったり、時間が長かったりする理由も上記の3つの理由と同じになります。
他の科目も適切に学習する重要性
算数に重点を置くことは大切ですが、こういうアドバイスをすると他の科目を全く勉強しない生徒が出てきますが、他科目を全く勉強しないということはあってはいけません。
国語は読解力と表現力を養う重要な科目であり、社会と理科は幅広い知識を身につける機会となります。上位校の算数では読解力も必要となるため国語の力は欠かせません。
算数ばかりに集中して他の科目をおろそかにすると、総合的な学力バランスを崩す恐れがあります。
まとめ
中学受験において、4科目を均等に勉強するのではなく、算数に重点を置いた学習計画を立てることが効果的です。
6年生の夏期講習までは国語:算数:社会:理科の比率を3:5:1:1程度に設定し、特に算数の学習時間を確保しましょう
ただし、算数ばかりに偏重せず、他の科目にも適切な時間を割くことが重要です。
バランスの取れた学力を身につけることが、最終的な合格への近道となります。
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