お試し受験とは
お試し受験(おためし受験)は、中学受験において本番の試験前に行う予行演習的な受験です。
最新版のお試し受験に適した学校は下記のリンクからご覧ください。
>>2025年中学入試:塾の先生がおすすめする「お試し受験校」一覧
主に1月に実施される入試を利用し、進学する意思のない学校を受験することで、本番に向けた経験を積むことができます。
この「お試し受験」は、地域や塾によって「前受け受験」「1月入試」「1月受験」など、さまざまな名称で呼ばれています。
首都圏、特に東京都や神奈川県の受験生にとっては、2月1日からの入試が本番となる生徒が多いです。その本番の前の時期に行われる千葉県や埼玉県、さらには九州や北海道の学校の入試をお試し受験として活用することが一般的です。
わざわざ九州や北海道まで行くのかと思われるかもしれません。
しかし、そのような遠い学校の中には東京入試、大阪入試など、大都市圏の生徒が受験しやすいよう、入試のために学校が出張してきてくれます。
行かない学校を受験する意味がないのでは?と思うかもしれません。
しかし、大人に比べて圧倒的に経験値が低い子供に本番を体験させるメリットは大いにあり、受験生の多くがお試し受験をした後に本番の入試に臨んでいます。
お試し受験のメリット
- 本番の緊張感を体験できる:
実際の入試と同じ環境で受験することで、本番での緊張感に慣れることができます。 - 本番に向けて焦らせる効果:
直前だというのに危機感もなくゲームをしていたり、テレビやYouTubeを見ていたりする子供は多いです。親から見ればイライラする行動をとる子供に、本番へ向けて焦らせる効果が期待できます。 - 時間配分の練習になる:
実際の試験時間内で問題を解く練習ができ、本番での時間管理能力が向上します。 - 現時点での実力を測れる:
お試し受験の結果から、自分の現在の学力レベルを客観的に把握することができます。
特に得点を開示してくれる学校では、試験の成績表を出してくれるところもあり、模擬試験の代わりとなります。
>>中学受験 お試し受験 得点開示のある学校 - 実戦力が身につく:
本番さながらの環境で受験することで、実際の入試に必要なスキルを磨くことができます。 - 合格による自信獲得:
お試し受験で合格することで、本番に向けての自信につながります。 - 失敗から学び、本番に活かせる:
もし不合格だった場合でも、その原因を分析し、本番に向けて改善点を洗い出すことができます。
これらのメリットは、経験値の低い小学6年生にとって非常に重要です。大人と比べて成功や失敗の経験が少ない受験生にとって、お試し受験は貴重な学びの機会となります。
特に、1月は中学受験生の学力が一番伸びる時期でもあります。
お試し受験をした後に、良かったところを確認し、直すべき点の調整をきちんと行うことで、本当に行きたい志望校への合格可能性が一気に高まります。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
効果的なお試し受験の選び方
- 確実に合格できる学校を受験する:
お試し受験では、自信をつけるために比較的易しい学校を1校は受験しましょう。
できれば必ず合格できそうな学校が望ましいです。
これにより、入試の雰囲気に慣れつつ、合格の喜びを味わう体験をし、本番合格に向けた勉強に気合いが入ります。 - 志望校の偏差値に近い学校を受験する:
お試し受験2校目からは実際の志望校と同程度の難易度の学校を選びます。
これにより、本番に近い状況での実力を測ることができ、本番での最高のパフォーマンスを引き出す準備ができます。
学校選びの際は、単に偏差値だけでなく、試験科目や試験時間、試験会場の場所なども考慮に入れることが重要です。
お試し受験の準備
- 過去問は見ておく程度で大丈夫:
過去問を見て、出題傾向や難易度や時間配分を確認はしておくべきです。1回分程度なら解いても良いです。ただし、本番の入試対策に影響が出る可能性があるので進学する意思がないのであればたくさん解く必要はありません。 - 本番さながらの気持ちで臨む:
お試し受験といえども、本番と同じ心構えで臨むことが大切です。これにより、実際の入試での緊張感に慣れることができます。 - 本番で前泊する場合は予行演習を:
入試本番でホテルに前泊する予定であれば、おためし受験でも前泊をして、その効果が出ているかどうかを見極めることも大切です。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
>>中学受験 前泊のメリットとデメリット - 失敗した場合は原因を明確にし、改善点を見つける:
不合格など思うような結果が出なかった場合は、その原因を冷静に分析しましょう。
時間配分の問題なのか、特定の科目の弱さなのか、それとも緊張のせいなのか、具体的に改善点を見つけ出すことが重要です。
注意点
- 受験する学校数は1〜3校程度が適当:
あまり多くの学校を受験すると、疲労が蓄積し、本番の入試に悪影響を及ぼす可能性があります。1〜3校程度に絞ることをおすすめします。 - 最後の追い込み時期であることを忘れない:
お試し受験は重要ですが、最後の追い込み時期であることを忘れないでください。お試し受験の準備に時間を取られすぎて、本番の入試対策がおろそかにならないよう注意しましょう。進学する意思が全くない学校の1月20日以後のお試し受験はおすすめできません。 - 感染症対策に注意する:
現在の状況を考慮すると、感染症対策は非常に重要です。マスクの着用、手洗い、消毒などの基本的な対策を徹底し、体調管理に気を付けましょう。 - 願書の確認は早めに:出願期限が入試前日という学校もあれば、12月中旬には締め切るところもあります。また、合格発表も翌日のところもあれば、5日後の学校もあったりします。11月中には願書の確認をしておきましょう。
おすすめのお試し受験校(2025年版)
- 栄東(東大特特):難関校を目指す受験生にとって、良い指標となる学校です。
- 西大和学園:関西の難関校ですが、東京会場での受験が可能です。
- 渋谷幕張:首都圏の難関校として、実力を測るのに適しています。ただし、入試日が1月22日と遅いので、進学の可能性が皆無の場合はおすすめしません。
- 海陽(給費):全国から優秀な生徒を集める学校で、高いレベルの問題に挑戦できます。
- 灘:男子校の最難関校です。合格した場合、
これらの学校は、それぞれ特徴的な入試問題や選抜方法を持っているため、お試し受験としても貴重な経験になるでしょう。
最新版のお試し受験に適した学校は下記のリンクからご覧ください。
>>2025年中学入試:塾の先生がおすすめする「お試し受験校」一覧
お薦めできない学校
入試日が1月20日以後の学校は個人的にはお薦めできません。
残りの10日間は最後の追い込みに賭けて欲しいのに、前泊でもしようものなら1日半を無駄に過ごすことになりかねないからです。
その時期は合格を勝ち取るため準備期間として一番大事にしたい時期です。
まとめ
お試し受験は、大人に比べて圧倒的に低い小学6年生の経験値を補い、本番の入試に向けて最終調整を行う貴重な機会です。
適切な学校選びと準備を行うことで、中学受験の成功につながる重要なステップとなります。
ただし、お試し受験の数を増やしたからといって志望校の合格率が上がる訳ではありません。バランスの取れた受験対策を心がけることが大切です。
最終的に、本番の入試で最高のパフォーマンスを発揮できるよう、お試し受験での経験を活かしつつ、自分の弱点を克服し、得意分野をさらに伸ばしていくことが重要です。
保護者の方々も、お子様のストレスに配慮しつつ、この貴重な機会を最大限に活用できるようサポートしていくことが求められます。お試し受験を通じて得られた気づきや学びを、家族で共有し、本番に向けての励みにしていくことをおすすめします。
補足
実際に地方の学校の首都圏入試で合格しても進学する生徒はごく僅かにいます。
函館ラ・サール、不二聖心、海陽、静岡聖光、西大和など、首都圏で入試を行う地方の学校には基本的には寮があり、好んで進学する生徒がいることは確かです。
地方の学校にとっては、地元だけでは生徒が集まらなかったり、いろいろな生徒が集まってくることで、多様性により活気が出るので、入学者がいれば出張入試のメリットがあるそうです。
ちなみに、金儲けのためにやっている入試だと思う人がいますが、実際には問題の作成の手間や、会場の費用、先生方の旅費、入試期間とは別の時期に都内などで説明会を開催したりするための費用等で、金銭面での旨味はほぼ無く、実際には収支はマイナスとなることもあり、儲かるということはないそうです。幅広い地域から優秀な生徒を集める事が最大の理由とのことです。
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