伸びる時期 夏期講習期間
中学受験生の学力が一番伸びる時期は夏期講習の時期と言われています。
確かに夏期講習期間中は伸びる時期ではあり、きちんと勉強しないと志望校合格はかなり厳しくなるのは事実です。
自宅で勉強すると言って夏期講習に出ない生徒が50人に一人の割合でいますが、それでうまくいく生徒は5人に1人くらいで、多くの子が家庭学習に失敗して他の生徒に差をつけられ、クラスがダウンしたり、成績が落ちたりして結果として受験に失敗しています。
しかし、学力が「一番伸びる時期」については私の長年の実体験からすると、その時期が夏期講習時と言われると、「それは違う」と断言できます。
実際に夏期講習期間で伸びることは確かですが、もっと伸びる時期があるからです。
一番伸びる時期 入試直前
中学受験生が一番伸びる時期は受験直前の12月と1月です。
特に2月1日以後に第一志望校を受ける受験生は1月のお試し受験の後に爆発的に伸びたりします。
入試直前期に伸びる理由 その1
理由の1点目は、入試を前にして緊張感も高まり、焦りも加わって、今まで何となく勉強をしてきた子どもが、受験生として生まれ変わるという点があると思います。
受験を前にして顔つきが大人っぽくなってくる子どもが多いのもこの時期です。
入試直前期に伸びる理由 その2
理由の2点目は、まわりの空気が追い込みの時期に入ってくるという点です。
もしかしたら周りの環境に流されやすい日本人の特徴なのかもしれません。
特に塾ではその空気が顕著なため、自分もやらなきゃ、一緒に合格しよう!と思うようになります。
ごく稀に受験直前の1ヶ月間、塾に一度も来ない生徒はいます。ただ、そんな生徒の中に、一生懸命勉強しているであろうはずなのに全部の受験に落ちた生徒がいました。
理由はいろいろあろうかと思いますが、家庭以外の環境で他者との関わりによる緊張感に触れなかったのも一因かと思います。
学校は休んでも塾にはなるべく行った方が良いです。
入試直前期に伸びる理由 その3
まず前提として、新たな知識や技術を取り込むスピードは、ある程度の知識や技術という下地があるかどうかで左右されます。
極端な話、いくら入試直前が伸びるといっても、全く中学受験の勉強をしていなかった生徒が、1ヶ月である程度の私立中学に合格することは困難です。
その上で、持っている知識や技術の量がどう変わっていたのかに着目してみましょう。
受験生として身につけておくべき知識や技術の量は夏期講習前の段階よりも、受験直前期の方が多く備わっているはずです。それは当然のことです。
夏期講習が始まる直前の7月中旬の時期では、一部の上位生を除いて、基本知識も完璧ではなく、知識と知識のつながりも曖昧なので、いろいろな基礎知識が融合された応用問題も大して解けない生徒が大半です。
実際に「2月の勝者」となる第一志望校に合格する生徒でも、7月中旬の夏期講習前の時期では第一志望はおろか、滑り止めの学校の入試問題でさえ受験者平均点に遠く及ばない場合の方が圧倒的に多いです。
逆に、11月末の状況をみると、基本はある程度できており、得意分野であれば応用問題もそこそこできるようになっています。
過去問を解かせても受験者平均点を超えて、合格者平均点に届くこともあったりと、夏期講習前と比べるとかなり力がついてきているはずです。
夏期講習前の状況と、入試直前期前の状況では持っている物の量が全く違うので、夏期講習前とは比較にならないくらい多くの知識や技術を取り込むことができるのです。
また入試で初見の問題を解く必要がある上位生でも、単品として持っていた一つひとつの知識がつながっていき、大きなマインドマップが頭の中で出来上がると、全体像から個別の知識へ、個別の知識から全体像へと行き来できるようになるので、かなりの難問が解けるようになったりもします。
入試直前期の行動で合否が決まる
よく、なんでこの子がこの学校に合格できたの?という現象があります。
それはまさに直前期にかなり頑張っていたからです。
偏差値が50の生徒が60を超える学校に合格したり、40そこそこの生徒が50半ばの学校に合格したりしますが、これはまぐれで合格したわけではなく、直前期に相当頑張っていたからです。
まわりは運だけで合格したと思っていますが、中学受験においては運だけで合格することはありません。
実力で合格していると考えて間違いはないでしょう。
ある生徒は「生きる上で必要な時間以外は全て勉強していた」と語っていました。
受験生が一番伸びる時期が入試直前であることを受験生やその周りが認識して行動していないと、第一志望校合格を勝ち取れないばかりでなく、合格確実と思っていた学校で不合格になったりするのです。
諦めてはいけません。
油断をしてもいけません。
最後まで頑張りましょう!!
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