中学受験の算数をマスターし
志望校への合格を確かなものに!!
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中学受験 「まとめノート」の作成よりも大事なこと

テキストや授業ノートを参考に、真面目にコツコツとノートを作る生徒がいますが、中学受験で合格することを目的とした勉強においては、そのようなノートの必要性は一切ありません。ノートを作る時間を問題演習にあてましょう。
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「まとめノート」とは

「まとめノート」とは、学習した知識を整理するため、黒板を写したノートや、テキスト、参考書、資料集等を参考にして、算数においては、公式や、公式の成り立ち、問題の解法、解くときのポイントなどをまとめたものです。

小学校でのグループ学習や、自由研究等の発表をする際には人に伝えることが重要となるので、きれいに装飾が施され、誰が見ても分かりやすい資料を作成すべきとされていますし、私もそう思います。

さらに、大学や大学院などに進んだ場合、今まで誰も研究してこなかった類の学問・内容を扱うこともあり、その研究する分野の第一人者として活躍していこうという状況であれば、「まとめノート」的なものは絶対に必要となります。その場合、「自分が考えたこと」「自分が行った研究内容」「自分が発見したこと」と「自分が〜」という要素を入れて書くことが最も重要となります。

「写経ノート(まとめノート)」とは

そういった「発表」に必要な素養を身につけるため、「ノートはきれいに書きなさい」「学習したことをまとめておきなさい」「誰がみてもわかるようにしておきなさい」と言われ続けていると、結果として普段から「まとめノート」を作ること、写経することが勉強と思うようになります。

また、そのようにきれいにまとめられたノートを持つことで「きれいだね」「すごいね」「頑張っているね」と称賛を受け、認めてもらいたいという欲求も満たせることも多いので、特に真面目な生徒ほど受験勉強においても時間をかけて丁寧に「まとめノート」を作るべきと思ってしまいます。

しかしながら、そのような生徒たちの「まとめノート」を見ると、参考書や授業ノートをまとめることに注力し、「まとめノート」で必要な「自分が〜」という要素が入っていない場合が圧倒的に多いのです。

この記事では、「自分が〜」という要素の少ない、テキスト・参考書・授業ノートをほぼ写しただけのノートを「写経ノート(まとめノート)」と呼ぶことにします。

中学受験では「写経ノート(まとめノート)」は不要

中学受験の算数の学習を進めていく上では塾の授業ノートやテキストを参考にした「写経ノート(まとめノート)」を作る必要はありません。それどころか、時間ばかりかかるので成績を伸ばしていく上で障害となったりします。

一生懸命勉強してるはずなのに成績が伸びないので、何が原因なのか探っていくと「写経ノート(まとめノート)」を一生懸命作っていることが原因であったりします。

確かに「写経ノート(まとめノート)」を作り上げた時の達成感は非常に高いです。色ペンを何色も使い、重要ポイントや公式が色とりどりの枠で装飾されたそれらのノートは、私が見ても綺麗だな、美しいな、と惚れ惚れしてしまいます。

ただ、そんなノートを作っている子どもの成績は総じてパッとしません。それどころか、綺麗なノートという努力の結晶を作りながらも、成績が伸び悩んでいることが多いので、努力してるのに何で?どうして?という状況に陥ることが多いです。

「写経ノート(まとめノート)」を作ってきた多くの生徒から聞いた話を総合すると、小学生が最高に美しい「まとめノート」を作る時は、次のようなことを考えながら作っているかと思います。

「この公式はどんな色で囲もうか」
「この図形は定規とコンパスを使って実際のサイズの半分のサイズできちんとかこう」
「この部分の重要度は高いので、同じ赤色でも鮮やかな赤色を使って強調しよう」

いつの間にか、学力をつけることが目的ではなく、きれいなノートを作ることを目的にしてしまっているのです。

そのような感じで「写経ノート(まとめノート)」を作っていたりすると、インプットにもアウトプトにもなっていない状況になり、成績が全く伸びてこないということになってしまうのです。

確かに、体系的に覚えておくことが重要な理科や社会では、自分の持っている知識の整理・確認のため、何かしらの「まとめノート」的なものの必要性を感じる人もいるかもしれません。また、基本的な知識・技術が身につき、典型問題であればある程度解くことができる受験生が応用問題・難問に取り組む際に解説を参考にして自分なりの解き方をまとめたノートは有用です。(この件については記事を作成予定です。)

しかしながら、中学受験で出題される分野で典型問題とされるものについては、テキストや参考書、資料集にほとんどのことが整理され、体系化されてまとめられています。また、自分が作ったノートを公開して、発表したりすることもありません。

つまり、「まとめノート」を作る意義や必要性がほとんどないのです。

実際に小学生の作った「まとめノート」を見ると、教科書や参考書に書いてある情報をただ単に写しただけで、さらに「自分が〜」の部分がすっぽりと抜け落ちてしまっている何ら付加価値のない「写経ノート」となっているものがほとんどです。

私の生徒が、もしこの種のノートを作っていたら即「まとめノートは作るな!!」とアドバイスするようにしています。

もし、テキストや資料集にないものを書き残しておきたいなら、テキストや資料集に書き込みをして、自分だけのテキスト・資料集を作るようにしましょう。

「写経ノート(まとめノート)」を作る時間を問題演習にあてましょう

「写経ノート」を作るかわりにやっておくべきことは何でしょうか。

それは問題演習です。ひとつの問題の解き方がわかったら、最低でも3問の類題演習をすると解き方の定着を図る事ができます。
※演習する問題数には個人差があります。

解き方をある程度理解できたら、類題演習をたくさん行った方が、新しく「写経ノート(まとめノート)」を作るより圧倒的に短い時間で学力アップが期待できるのです。

そんなの当たり前じゃないかと思うかもしれませんが、「写経ノート(まとめノート)」を作っている生徒の多くが問題演習にあてる時間が結果的に削られ、インプットもアウトプットもできない状況になっているのであえて書いています。

私が担当した多くの生徒をみても、「写経ノート(まとめノート)」をコツコツと作った生徒よりも、問題演習に力を入れた生徒の方が圧倒的に力がついています。

また、生徒たちが合格した後にノートの使い方を聞いてみても、「写経ノート(まとめノート)」が有効であったとの意見はほとんどなく、むしろ時間ばかりかかってしまい、志望校合格にほとんど寄与していないという意見が圧倒的です。

「写経ノート(まとめノート)」をコツコツと作る膨大な時間を問題演習に使ってくれれば成績をもっと伸ばすことができるはずです。

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