中学受験の算数をマスターし
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合格率を上げる過去問演習 制限時間にとらわれない学習法

「過去問を解いても点数が上がらない」「制限時間内に解けない」—こんな悩みを抱えている受験生や保護者の方は多いのではないでしょうか。焦りや不安を感じながら過去問に取り組んでいる姿が目に浮かびます。 実は、制限時間にとらわれずじっくり問題に向き合うことで、驚くほど学力が伸びる可能性があるのです。この記事では、9月から12月にかけての効果的な過去問学習法を紹介します。最後まで読めば、焦らず自分のペースで学習を進める具体的な方法が分かり、志望校合格への近道となる問題の本質理解と効率的な解法探索のコツも掴めるでしょう。

中学入試の算数過去問演習において、時間管理は非常に重要です。

進学塾の先生の多くは過去問を解く際、制限時間を厳守するよう指導しています。

しかし、私の長年の指導経験から、過去問に取り組み始めた当初は、制限時間にとらわれない学習法の方が合格率が高いという事実があります。
特に難関校を目指す場合、この方法の効果は顕著です。

そもそも9月から11月に過去問を解く目的は合格不合格の判定のためではありません。
過去問を解く目的については下記の記事をご覧ください。

>>中学入試算数 過去問を解く真の目的

過去問演習開始時の制限時間内解答のデメリット

過去問演習を9月、10月に始める際、制限時間内で解答することには多くの問題点があります。

特に小学生の場合、これらの弊害は想像以上に深刻になる可能性があります。
小学生に制限時間通りに解かせると、真面目な生徒でさえ、大人の想像を超える滅茶苦茶な取り組み方をしてしまうのです。

この状況下では、時間を制約してしまうことにより本来の実力を発揮できず、正確な実力把握が困難になります。

また、難しい問題や時間のかかる問題を飛ばすことで、自分の弱点を正確に把握できなくなったり、考えることを放棄してしまいます。

さらに深刻なのは、時間内に終わらせようとするあまり、様々な悪習慣が身につく可能性があることです。
例えば、問題文を読み飛ばしたり、勘に頼った解答をしたり、計算や線分図、面積図、式を省略したりと、基本的な動作をすっ飛ばす傾向があります。
これらの悪習慣は、真面目な生徒でも陥りやすい落とし穴です。

結果として、過去問演習が勉強の主体になっていたりすると、成績が落ちたり、学力が低下したりする恐れまであります。
加えて、いい加減な取り組みによって問題の本質を理解し多角的に検討する機会を逃すことで、学力向上の機会を損失してしまいます。

時間制限という不必要なプレッシャーにより精神的にも追い詰められてしまうこともあります。
また、時間がかかる問題を単に難しいと誤解し、重要な問題を見逃してしまう恐れもあります。

これらの要因が重なり、本来なら合格できるはずの学校で失敗してしまう生徒が少なくありません。

効果的な時間管理術

これらのデメリットを考慮すると下記のような時間管理術がおすすめです。

志望校の問題が難しいと感じたら、制限時間の最大2倍までの時間をかけて解くことです。

ただし、ずっと2倍ではダメです。
入試本番の半月前までに制限時間内で合格点が取れるよう、徐々に時間を短縮していきます。
具体的には、9月は制限時間の2倍、10月は1.8倍、11月は1.5倍、12月は1.2倍、そして1月には制限時間内というように段階的に調整していきます。

初めは時間がかかっていても、学力がつき解ける問題のバリエーションが増えたり、解く順番などを考えたりして効率的に解く力がつくと、制限時間に合格点が取れるようになっていきます。

制限時間を延長するメリット

制限時間を延長して過去問に取り組むことで、学習効果を大きく高めることができます。この方法には以下のような利点があります。

  1. 深い思考の促進:じっくり考える時間が確保されることで、新しい解法や考え方に気づく機会が増えます。これにより、問題の本質を理解する力が自然と養われていきます。
  2. 弱点の的確な把握:時間をかけて問題に取り組むことで、自分にとって難しい問題タイプを正確に識別できます。この情報は、受験当日までの効果的な学習計画を立てる上で非常に有用です。
  3. 思考プロセスの充実:時間に余裕があることで、問題を多角的に検討する習慣が身につきます。これは、より深い理解と柔軟な思考力の育成につながります。
  4. 学力向上の加速:焦らずに取り組むことで、計算ミスや読み取りミスが減少し、解答の妥当性を確認する習慣が身につきます。結果として、確実に力がつき、学力向上の機会を最大限に活用できます。
  5. 心理的負担の軽減:時間制限による不必要なプレッシャーを避けることができ、自分の現在の学習段階を冷静に認識できます。これは、長期的な学習モチベーションの維持に役立ちます。
  6. 解法の多様性の理解:一つの問題に対して複数の解法を考える余裕ができ、多様な解き方を探索する習慣が身につきます。これは、本番での柔軟な対応力を養うのに効果的です。

このように、制限時間を延長することで、単に問題を解くだけでなく、思考力や理解力を深める機会を得ることができます。これらの利点は、長期的な学力向上と試験対策に大きく貢献します。

解答の質へのこだわり

ただし、単に時間をかければよいわけではありません。

問題の本質を理解し、効率的な解法を見つけ出す努力が大切です。
時間をかけて丁寧に取り組むことで、最終的には制限時間内で解けるようになるための基盤を築いていくのです。
この方法で着実に力をつけていけば、本番でも落ち着いて問題に取り組める実力が身につくでしょう。

焦らず、自分のペースで取り組むことで、確実に学力を向上させ、志望校合格への道を切り開いていってください。

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