中学受験の受験生は結構な時間勉強しています。
そのため四六時中ノートやテキストを見ていることが多く、人によってはどうしても視力が落ちぎみになります。
時間があれば遠くを見る習慣などを取り入れ、視力の低下を少しでも防ぐ手立てが必要ですが、なかなかそういう時間も取れないことが多いです。
結果、メガネをかけることになります。メガネをかけはじめた当初は色々なものが見えるようになり世界が変わると思います。
しかし、人によって視力は日々僅かに変化していきます。その僅かが積み重なって大きなズレになったとしても、度数があっていないことに気付きません。結果として3ヶ月も経つとメガネの度が合わなくなっている場合が結構あります。
実際に授業をして、メガネをかけている生徒を観察していると、テキストの図形を見るとき目をしかめたり、黒板を目を細めてみたりしている生徒が学年が上がるにつれ増えていきます。
授業中の様子を見ていると、少なくとも2割くらいの生徒は半年くらいでメガネの度がずれていると思われます。
もともと視力が悪い人には関係ない話ですが(私がそうです)見えていたものが見えなくなった人はかなり成績に響きます。問題文の読み落としや、図形を捉える感覚、自分の書いた式の場所など、はっきり見えていれば、そこ気付くよね。そんなミスしないよね。というようなことが多発します。
もうかなり前の話で、極端な例ですが、偏差値で70近いレベルの男の子で一生懸命頑張っていたのにも関わらず50代後半に落ち、それが2ヶ月続いた生徒がいました。
ある日、同じ学校に通う女の子から、学校では彼はメガネをかけているという話を聞きました。すぐに彼を呼び出し話を聞いてみると、塾でメガネをかけたら色々言われそう、というようなことを言い、学校ではかけていたメガネを塾でかけたくない。ふつう逆だと思うんですが、そんな生徒がいました。
もちろん、お母さんにメガネを届けてもらい、その日の授業からメガネをかけてもらったのですが、明らかに集中力やノートを書くスピードが上がり、1ヶ月でもとの成績戻りました。
その後、彼は駒場東邦、聖光、筑駒と合格したのですが、あの時、恥ずかしいからと言ってかけなかったメガネを、半ば強制的にかけさせてあげなければ、成績は元に戻らず、華々しい合格実績は取れなかったのではないでしょうか。
ちなみに、昔メガネ屋さんに聞いた話で、度がずれてるいるかのチェック方法があります。黒い紙に針で穴(ピンホール)をあけ、その穴から見える景色と同じように見えればオッケーらしいです。逆にピンホールから見た様子と明らかに異なるようであればメガネの度がずれている可能性があるそうです。
メガネ屋さんに行く時はテキストを持って手元にがきちんと見えるかもチェックすべきです。黒板の字を見るよりも手元を見る時間のほうが長いですからね。
あと、入試前、12月までにはきちんと眼科やメガネ屋さん等に行ってチェックしてください。入試直前の1月とかに見え方が変わって良い影響が出れば良いですが、悪い影響が出る場合(そんなの見たことはないですが…)もあるかもしれないので、早めの対応が必要です。