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中学受験 前泊のメリットとデメリット

入試前日に受験校の近くのホテルに前泊する受験生家族は多いと思います。前泊には交通機関の乱れによる遅刻の防止などのメリットもありますが、日常環境から離れることによる睡眠不足などのデメリットもあります。その対策についてお伝えしていきます。
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前泊のメリット

交通機関の乱れによる遅刻の防止

受験当日に電車の遅延など、交通機関の乱れによって遅刻をする受験生は過去に何人かみています。
どの受験生も余裕をもって家を出ているので、遅刻者専用の部屋で受験できたことにより、受験自体ができなかった生徒は私が担当した生徒の中には過去にいませんでした。

しかし、他教室の生徒などで大幅に遅刻してしまって受験できなかった生徒の話は聞いています。

自分の落ち度ではないにせよ、遅刻をしてしまうと、それだけで心が乱されたりします。
また、遅刻によって試験時間がずれたりすると、午後の受験校の集合時間に間に合わなくなるということもあります。
入試期間中は時間の管理がシビアになるので、余裕をもった行動ができる前泊にはメリットはあります。

ちなみに遅刻をしてしまいそうな場合は、受験校に必ず連絡し、指示をもらうようにしてください。

朝の学習時間を確保し、持てる力のブートアップ

私の考える前泊のメリットのうち最大のものはこれに尽きます。
入試当日の朝に計算練習をしたり、漢字練習をしたりすることで、頭をテストモードに切り替えることが期待できます。

毎年、入試直前の授業中に過去問を利用した入試問題演習をするのですが、立ち上がりの遅い生徒が必ずと言っていいほどいます。問題を解くスピードがテスト開始直後、とても遅いのです。

入試直前の授業で入試問題の演習前に、そのような立ち上がりの遅い生徒を対象とした計算テストをすると、その立ち上がりの遅さがなくなり、クラス全体の問題の正答率が高くなる傾向があります。

エンジンを温めてから本番に臨むことで今まで培った学力を使って最大限の効果を得ることが期待できるわけです。

ちなみに気をつけておきたいのは、入試当日の朝に新しいことを絶対にやってはいけないということです。

入試当日にわからないことが解決できないとなると、どんなにポジティブな子でも逆効果しかありません。機械的にできる計算一行題練習や、漢字、年号、人名などのチェックをするべきです。

体力の消耗の防止

学校によっては普段乗り慣れていない満員電車で行くこともあります。

乗り慣れている電車であったり、電車で3駅程度行ったところにある近場の学校であれば前泊の必要は全くないでしょう。

しかしながら、体がまだ小さい小学6年生が混んでいる電車に乗って、1時間くらいかけて受験校にいくことは大人が思う以上に体力を消耗するものです。

実際のところ、コロナ禍以前は入試の最中に疲れてしまってテストに集中できなかったということはあまり無かったのですが、コロナ禍以後は受験生の体力が全体的に落ちています。2月1日からの数日間は、午後入試まで含めるとかなりの長丁場になるので、体力の温存のことを考えると、前泊のメリットは大いにあります。

保護者の疲労の防止

受験生よりも疲れてしまうのは保護者であったりします。
受験するのは本人であり、保護者は本人の力を信じて待つしかないわけです。これが結構シビアであると毎年、保護者の方々から感想として出てきます。

学校側も控え室を用意してくれていたり、学校によっては説明会を開催してくれたりと子供を待つ親の気持ちに寄り添ってくれてはいます。

しかし、子どもを試験会場に送ってからホテルに帰り一息つくことができれば、疲労もそれだけ軽減でき、受験が終わった子供に優しい一言をかける心の余裕もできるでしょう。

前泊のデメリットと対策

普段とは違う環境により睡眠不足になる恐れ

旅行に行ったり、ホテルに泊まる習慣がなかったりすると、経験の少ない子どもであるがゆえに、自宅で寝るときでさえ試験前日の緊張感で眠れなくなるのに、さらに環境が異なることによる高揚感等で思うように睡眠が取れなくなる可能性があります。以下はその対策です。

対策1:大人が平静を保つ

まずは連れていく保護者が平静を保つこと。
大人が次の日の入試に向けて舞いあがってしまうと、それを感じ取った子でもは確実に普段と同じように過ごすことができなくなってしまいます。

対策2:前泊の予行演習をする

塾以外の大学会場や私立中学で受ける模試試験、一月入試などで前泊をして予行演習をしておきましょう。試験本番と同じように過ごしてみることは必須です。

試しに前泊をしてみて、興奮して眠れない、逆に疲れてしまうというのであれば、前泊をすることによって失敗する可能性が出てきます。

こういった場合は前泊はしない方が良いかもしれません。

模擬試験は、日頃の勉強の成果を確認するためのものですが、試験前日から当日の行動の予行演習をするためのものです。

試験当日に前泊を予定しているのであれば、公開模試の際にも前泊をして予行演習をしておくべきです。

乾燥したホテルの環境での体調不良のおそれ

ホテルによっては加湿器を常備している所もありますが、台数が限られる場合もあります。必ず問い合わせて確認しておきたい部分です。

もし無いようであれば持ち込むことも考えておくべきです。

どのようなホテルにするか

まずは勉強ができる机などがあることは絶対です。さらに加湿器なども備え付けられていると良いでしょう。

神経質になりがちな受験前夜なので、受験生プランなどがあったり、リクエストが通るようなホテルにしておいた方が無難です。

基本的には素泊まり

日常から離れ、リフレッシュしたり、旅行気分を満喫するために前泊するわけではありません。

たとえば、渋谷幕張の入試など、幕張に向かう途中にディズニーランドが見えたりして旅行気分になってしまうのも12歳の子供にとっては致し方ないことです。

それに加えて、あれもこれも食べられるようなホテルのビュッフェに行ってしまったら、もはや何のための前泊かわからなくなります。

また、普段食べないものでお腹いっぱいにして体調を崩したら、「前泊したから入試に失敗した」ということになりかねません。

前泊の最大のメリットは試験当日の朝に計算問題などをやってエンジンを温めておくことにあるので、優雅にホテルの朝食などを取るべきではありません。
必ず素泊まりプランにするべきです。

ホテルでの朝食は子供を入試会場に送った後にパパ・ママだけで行くようにしましょう。

ホテルの予約はお早めに

入試直前では予約が取りにくいことがあります。

特に浦和明の星や、渋谷幕張など、都心から離れたところにあって受験生が多い学校を受験する際は注意が必要です。

学校に近いホテルでは12月の下旬に予約しようにも、その時点で満室になっていることもあるそうです。

特に浦和明の星、淑徳与野、栄東、渋谷幕張の受験の際には要注意です。

ちなみに浦和明の星を受験する際、最寄りの東浦和駅周辺にはホテルはなく、前泊するホテルを探すのに迷います。宿泊先は浦和駅か大宮駅周辺のホテルになるかと思います。穴場は、東横INN北朝霞駅西口です。北朝霞であれば乗り換えなし15分で学校最寄りの東浦和駅まで行くことができます。

さすがに都内のホテルで予約が取れないということはないとは思います。

試しに桜蔭中学校の近くの東京ドームホテルの予約状況をHPで2024年1月24日に確認したところ結構残っていました。
https://www.tokyodome-hotels.co.jp/

いずれにしても、加湿器の手配もあります。
1月入試などでは11月には予約でいっぱいになるホテルもあります。
受験の可能性があるのであれば早めに予約はしておきましょう。

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